「リボンが悪いってことじゃなくて……!」
「じゃあなんだよ?」
誤解を招くようなややこしい言い方は、逆効果だった。
だって先輩達は何も悪くないんだから。
なぜだと理由を再三問いかけられ、とうとう私は勢いに任せて白状した。
「私みたいにデカイ女子がクマ柄の可愛いリボンをつけても、みっともないだけなんです!」
一度放ってしまった言葉は二度と戻らない。
(言ってしまった……!)
コンプレックス丸出しの、恥ずかしい胸の内を臆面もなく曝け出してしまい、私は動揺した。
こんなの単なる八つ当たりだ。
昨日の失恋で情緒が不安定になった?
どうせ私なんかと、卑屈な感情がとめられない。
「すみませんでした。失礼します……!」
「待てよ!」
そそくさと立ち去ろうとすると、葵先輩に腕を引かれて引き止められる。
「話はまだ終わってない」
葵先輩は私を丸イスに座らせると、グイっと顎を持ち上げた。
葵先輩からジイっと見られて、徐々に顔が熱くなっていく。
つい派手な匠先輩に目が行きがちだけれど、葵先輩だってなかなかの美形だ。
私より少し高い身長、切れ長で大きな狐目、ワックスで整えられた長めの髪。
こんな時でなければ、見惚れていたかもしれない。


