緊張しながら開いた手紙には。
『弓佳へ 今までのことはゴメン! きちんと会ってあやまりたいから、帰る前に視聴覚室に来てくれない? 静かなところで弓佳と話がしたいんだ』
 
 珠莉――ようやく分かってくれたのかな?
 ちょっと不安は残るけど、これで今までどおりの生活に戻れるかも……。
 そんな期待を抱きながら、その日の放課後、あたしは視聴覚室に向かった。
 
 ドアを開けると、なかは黒いカーテンが閉めきられててぼんやりと薄暗い。
「珠莉?」
 まだ来てないのかな?
 ひとまず電気をつけようとしたとき。
 横からドンッ! と壁にたたきつけられた。
「うっ……」
 よろめくあたしのそばに、誰かが立っている。

「こないだの先輩、なんなの?」
 珠莉だ。
 珠莉が、氷のように冷ややかな目であたしを見下ろしていた。