え え え?
全身に雷に打たれたようなショーゲキがはしる。
「露原先輩と?」
 あたしが!?

「あれ、オレが彼氏役だと不満?」
 先輩がわざとらしく口をとがらせる。
 あたしはブンブンと首を横に振った。
「そうじゃなくて! そんなこと先輩にお願いしていいのかなって」
 まだ知り合ったばかりだし。それに、先輩はいいの?
 あたしがカノジョってことになるんだよ?
 けれども、先輩は心配ご無用! と胸を張って。
「困ったときはおたがいさまだよ。オレとつき合ってることにすれば、キミをいじめるヤツや悪いウワサもしだいに消えていくだろうから。まずはおためしってことで♪」
 と、あたしに手を差し出した。

 おためしだなんて、とんでもない!
 あたしのために、そこまでしてくれるなんてなんだか申し訳ないな。
 だけど、ほかにいい方法も思い浮かばないし――。