次の日、バレー部に行くと。
「弓佳、どういうつもりなの?」
 昨日までなかよくしゃべっていた部員の子たちが、あたしに厳しいまなざしを向けた。
 明らかに部室の雰囲気がものものしくなってる。
「どういうつもりって?」
 なんのこと???

「とぼけないでよ。弓佳、あたしには内海くんには彼女がいるって言ってたくせに、どうして自分だけ内海くんとなかよくしてるの?」
 珠莉がこわい顔であたしをにらんでる。
「だって、あたしと大空は前から友だちだし――」
「ウソつき! 彼女がいるってごまかして、内海くんをひとりじめするつもりなんでしょ? 弓佳がそんなひきょう者だとは思わなかった!」
 
 ウソつきにひきょう者!?
「ちがうよ、あたしウソなんてついてない!」
 何度もそう否定したけど、
「珠莉が内海くん好きなの知ってたんでしょ? だったら、内海くんとは距離を置くとか、少しは気をつかうべきじゃないの?」
「そうだよ。珠莉にはあきらめろって言っておいて、自分はちゃっかり内海くんと親しくしてるなんてひどくない?」
 
 部活の子たちはみんな珠莉のほうについていて、冷ややかな態度は変わらないまま。
 あたしの言葉はチームメイトの誰にも届かなかったんだ。