「今日はSクラスのみんなに江架を紹介しようと思って。…って、アレフはまだ戻って来ないの?」
「みたいだね。でも別に紹介するほどでもないと思うんだけど俺」
「挨拶くらいは必要でしょ?」
ソファーに腰かけていた1人が、私に近寄ってくる。
歩いて足を踏んだ場所ひとつひとつに氷の結晶が見えた。
昨日の滑り台からしてみても、さっきの文字も、彼の属性はなんとなく。
「俺はハオ。…こーいう魔法を使うんだ」
繊細な指の動き。
ピキピキと音を鳴らせた先に、氷の髪飾り。
「わあ…!きれい…!」
「どうぞ、お嬢さん」
クスッと笑って、私の髪に取り付けられた。
3時間すれば消えちゃうけど、と。
それすら氷属性─グラキエース─の美しさなのだろう。
「…でも…、こんなダサい眼鏡には…似合わないから」
「…なら、外してみる?」
「───だめ」
断ったのは、ルス先輩。
腰を上げて私たちの隣、そして私に向き合って屈んでくる。



