ただアレフくんの場合は。
そうなるとイコールで、アレフくんが魔法を使えなくなってしまうことと同じ。
それほどアレフくんとアネモスは2人でひとつなんだ。
「いや、そうでもないんじゃないかな」
ここでもみんなに安心を与えてしまったのはルス先輩だった。
かなり真剣に思い悩んでいた私たちに、あっさりと告げる。
「人が成長するように、今のアネモスは新しいことを学んでるだけだよ。
いずれそれは良い意味で“慣れ”ってものが来るだろうし、もっと強い絶対的な気持ちに変わるかもしれない」
「…絶対的な…、気持ち…」
繰り返したアレフくんの頭をくしゃりと撫でて、ルス先輩は微笑んだ。
「そのときアネモスはもっと立派なアレフの友達─魔法─になってくれるだろうね。
つまり、いろんな経験をさせることは悪いことばかりじゃないよってこと」
そう言って、キャンディを舐め終わって退屈そうにしている擬人化アネモスのもとへ。



