ルス先輩、ハオさん、ローサさん、私。

揃って聞き返すと、うなずいたアレフくんは説明してくれた。


どうにもそれは、音楽室でいつもピアノを弾いている音楽科のマリア先生を前にしたときだという。


音楽を通して魔法を教えてくれるマリア先生も、じつは風属性の魔法を持っている。



「マリア先生の魔法を見たときは必ず出てくれなくなって、マリア先生の話をしたときなんかも……アネモスの風が熱くなって、」


「熱くなるって、熱風ってこと?」


「そう、すごい熱いんだ。…病気になっちゃったのかな」


「いや魔法に病気なんか……、って、そうだねうんうん。アネモスは特殊だもんねえ」



ハオさんをギロッと睨んだローサさん。

察したハオさんは苦笑いを浮かべながら、アレフくんの背中を慰めるように叩く。