ぐずぐずといまだに受け入れられない私の身体、ふわっと浮く。



「ふふ。それが僕のかぐや姫なんだよね」


「また手を使わないとお水が飲めなくなっちゃった…」


「…やっぱりそこなんだ」



初期魔法は使えなくなってしまったけれど、今では眼鏡を取らなくても自分だけに備わった特殊な魔法だけは使える。


けれどそれは基本は見せないようにと、おばあちゃんや師匠との約束だった。


それからルス先輩、ハオさん、ローサさん、アレフくんだって。

この4人は実質、聖アヴィス魔法学校を卒業したようなものだというのに、それを隠して生活している。


彼らはもう、魔法士だということも。



「でもどうして、みんなまで秘密にしてるの…?魔法士だなんて誇るべきことなのに…」


「そんなの決まってるだろう?」



江架ともっと一緒に学校生活を送りたいから───。

ルス先輩の言葉が満場一致だった。