「…わかってるよ。俺だってそうだ」
「っ、……っ、」
でも、恨めない。
それはシド兄ちゃんも同じはずだ。
あの魔法を恨むことはできないんだ。
どうしたって、できない。
「ごめんな、レオンハルト」
どうしてシド兄ちゃんが謝ってるんだ。
謝る必要なんかひとつもない。
あなたは悪くない。
だれも、なにも、悪くない。
血の繋がっていない俺をいつだって本当の弟以上に、家族のように見てくれて嬉しかった。
「俺の正義は、端からみれば愚かなものだったかもしれない」
そんなことない。
あなたの正義は、俺にも正義をくれた。
目標だった。
シド兄ちゃんの強さが、おれも欲しかった。
「生きることは失うことばかりだ。たとえ神だとしても、ぜんぶを救うことなんかできない。手放すことで手に入るものがあって、そうすることでしか得られないものだってある。
…だから俺はあの日、おまえと分け合うことにしたんだよ」



