「……退いてくれ、シド兄ちゃん」
「退かねえ。言っとくが、この先にお前の居場所はないぞ」
「…だってそっちには…、セーカ姉ちゃんもいるだろ」
「だったら尚更じゃねーかアホ。俺たちの甘いスイートタイムを邪魔するつもりか」
「……クソきめえ」
「んだとクソガキこら」
俺のほうが年上だ。
と、思った自分の姿は9歳だった。
「向こうには江架がいるだろレオンハルト。…悔しいが俺はもう、そっちには戻れない」
「…おれも……、もう戻れないよ」
「いいや、お前はまだ戻れる」
この人はいつだって俺の前に立っている。
俺が目指す場所として、立っている。
シド兄ちゃんの正義にはこの先も敵わないんだろうなって思うし、でも、わがままを言っていいなら。
「もっと…、もっと、4人で家族っ、したかったよ……っ」
シド兄ちゃんとセーカ姉ちゃん、江架とおれで、もっと家族がしたかった。
もっと家族でいたかった。
もっと一緒に、いたかった。



