「……っ、おれ、おれ…っ、シド兄ちゃんの歳…、余裕で越したわ……」
「…だな。でっかくなったな、おまえ」
くしゃりと、髪が撫でられる。
たったそれだけで幼い頃に戻ってしまいそうで、この人の力はすごいものだと思った。
魔法士になったんだ俺。
シド兄ちゃんより高ランクの魔法士に。
俺なりに正義を見つけて、やってきた。
あなたのぶんまで江架を守りたくて。
おれも───…シド兄ちゃんみたいになりたくて。
「俺…、兄貴らしいこと、できたかな……っ」
あれは間違っていたかもしれない。
正しくは、なかったかもしれない。
もっと他に方法があったかもしれない。
シド兄ちゃんなら分かるだろ、この気持ち。
あのときのあんたの選択だって、残された側からすれば最悪だった。



