「────…おにい、ちゃん」
涙がぽろぽろと止まらなかった。
やっぱり、やっぱり、やっぱり。
あの人は私のお兄ちゃんだったんだ。
赤いレンガ調のお家、私たちだけじゃなく、もうひとり男の子がいた。
お父さんが見せてくれた記憶のなかに、ピンクブラウン髪をした男の子が。
レオンハルトと呼ばれていた、その男の子。
私のことを「江架」と呼んで、笑顔を向けてくれた男の子。
「レオンハルトを救えるのは江架ちゃんだけだ」
「私っ、暴走して…っ、師匠…、お兄ちゃんに最低なことをさせちゃった……っ」
「大丈夫よ。江架の魔法には、私たちもいる」
「お父さんとお母さんを信じろ、江架」
お父さんは、ちょっとだけ背伸びをした大人びたなかに活発さが見えるひと。
お母さんは、無邪気さを隠した穏やかなひと。
「握ってるだけじゃ、だれとも手を繋げないんだ」
ぐっと固く握りしめていたこぶし。
やんわりすくって開いてくれたお父さん。



