エーテル国には、いくつもの“連絡ゲート”と呼ばれる門がある。
特殊な魔法がかけられた連絡ゲートは各場所に設置されており、そこを潜れば学校や病院、市場といった、決められた公共機関に出向くことが可能だった。
そして戻ってくる場所も、このゲート。
ただ私が暮らす、人里離れた南南東のエリア境にあるこのゲートを通る者は、なぜか私だけ。
「あら、おかえり」
「………」
「どうかしたの?どこか元気が───、……江架、」
私の家は木造建築の平屋。
それすら周りと違うから、幼い頃から軽蔑視されてきた。
これは海を渡った場所に位置する、とおく離れた和の国の文化を取り入れているらしく。
今も出迎えてくれたおばあちゃんが着ている“キモノ”というものもまた、和の国の衣装だという。
「夜巳(よみ)おばあちゃん…っ」
「…今日も無事に帰ってきてくれた。それだけでおばあちゃんは嬉しいわ」
「ただいま」よりも先に、おもいっきり抱きつく。



