「……っ、おかっ、おかあさ……っ、あああぁぁぁーーー…っ」
責めたかった。
どうして私だけを置いていったのって、どうしてふたりして死んじゃったのって。
本当であれば、責めて怒りたかった。
「ごめんね。母親らしいこと、ひとつもしてあげられなくて。たくさんたくさん……苦しい思いをさせてしまったよね」
おなじ髪の色、目の色、初めて嗅いだはずなのに懐かしく思う匂い。
抱かれた腕のなか、私は赤ちゃんのように泣いた。
いつの間にかお母さんだけじゃなく、お父さんも一緒に私ことを抱きしめてくれる。
「星架にそっくりだな。黒い髪もよく似合ってる」
「ふふ。シドにも似てる。…私たちの子だね」
「…おう」
今まで写真を見るたびに実感なんか湧かなかった。
他人の写真を見ている、とまで思ったことすらある。
ぜんぶぜんぶ訂正するよ。
この人たちは私のお父さんとお母さんなんだって、うれしい。
彼らにしかない偉大な何かがあった。



