「でも……泣いてた」
「え…?」
「そいつ、俺に勝ったはずなのに泣いてたんだ。なんで泣いてたのかは今もあまり分かってねーんだけど……、
ただ、そばに居てやりたいって思った。つまりは俺が惚れた。それだけ」
変な夢を見ているんだ。
自分より年下のお父さんに似た男の子から、お母さんじゃないかと思う子の話を聞く夢。
「…その子と、結ばれないほうがいいかもしれない……、」
「……なんで?」
「……、…結ばれないほうが、いい」
お父さんとお母さんが結ばれなければ、ふたりして死ぬことはなかったかもしれない。
お父さんとお母さんが結ばれなければ、私は生まれなかった。
私みたいな子は、生まれないほうが良かったんだ。
生まれちゃ、だめだった。
「お前からの頼みだったとしても、悪いけどそれはぜったい聞けねーわ」
あ……、そのリング状をしたピアス。
どこかで見たことがある。
「たとえどんな未来が待ってようと……それだけは無理だ」



