どこだろう、ここ。


気づいたとき、私は知らない場所に来ていた。


山奥ではなくとも自然に守られた土地で、抜け道のような場所をただ進んでいたら。

キラキラ輝く水面が見えて、おもわず緩やかな川が流れる川縁に近づいていた。



「俺は君が好きです…!だから俺のっ、俺の恋人になってください…!!!
……いや、ちょっと普通すぎるな。もっと俺らしいほうがいーよなあ…」



そこに、誰かがいた。


木の陰からそうっと様子を伺っていると、その人は告白の練習のようなものをしているみたいで。

架空の女の子へと決め台詞を言っては首をかしげて、また悩んで。


ふふっと無意識にも笑ってしまったようで、バッと彼は振り返った。



「だれだっ!俺の一世一代の告白練習を馬鹿にしやがったやつは…!!」


「あっ、いや…!ば、馬鹿にはしてないです!たまたま……見つけて…、ごめん、なさい…」


「…………」