不滅のユースティティア。

ルスside




崩れた洞窟。
地上の空がなんとも……赤い。

太陽をまとった江架が、月へと帰ってゆくかぐや姫に見えて。


僕はそれを、きれいだと思ってしまった。



「夜巳さん、江架の動きを止めて欲しい」


「でも…っ、いまの私の魔力じゃ3分も持たないわ……っ」


「…十分だ」



僕たちはただ、見ていることしかできなかった。

這いつくばって無様に、自分の命を救うことで手一杯。


なにが50倍だ、強くなっただ、あれを前にそんなことが言えるのか?



「はははっ、素晴らしい…!!なんという魔力…!!終わりだエーテル国っ、私だけの新しい世が始ま───ウギャアっ!」


「てめえはそこで見てろ」



S級魔法士の魔法によって凍らせられた男。

わざわざ殺しはしなかった理由が他にあるのだろうか。


今じゃなくともよかった、理由が。