のこり30秒を切った。
大丈夫、できる、できるから。
「すばらしい…!!なんと素晴らしい魔力だ……!クハハハッ!!
やっとこの世界を終わらせられるぞ!!その魔力、もらう───ぐはァ……ッ!!」
私に何かを仕出かそうとしていたサングラス男が、勢いよく吹き飛んだ。
ドガッッ!!と、効果音が遅れて聞こえてくる。
いつもそうだね。
あなたは大切なときほど魔法を使わない。
魔法に頼らず、自分の手で、私に触れてくれる。
そいつを魔法ではなく物理的に殴ったのはルス先輩だった。
「もう黙ってろよお前は。いい加減」
そんなにも低い声が出せたんだ。
私の横をすばやく通りすぎて行った瞬間に見た、彼の表情だって。
瞳孔を開かせて、こめかみに青筋を立てて、まるでずっとずっと我慢していた何かを解放させたみたいだった。



