「眼鏡、やっぱそれしてないとダメなの?」
「……視力…、わるくて」
「…そっか。なら仕方ない」
「わ…っ」
屈んでまで、覗きこんでくる。
パッと伏せてしまった顔に当てられた滑らかな感触。
さらりと頬を持ち上げてきたのは魔法ではなく、彼本人の手によって。
「外した顔、見たかったりするけど」
「………ええ……」
「…ふっ。よろしくね、江架」
なにが起こっているのか分からないまま、気づいたときには魔法で姿を消していたルスという先輩。
Sクラス───、
それは最高ランクの特待生クラスとも呼ばれ、在校生のなかから選ばれた4人しか所属できない特別クラス。
光、氷、風、治癒。
生徒たちを代表するそれぞれの属性から抜擢された、1人だけ。
校舎の最上階から数えて2番目が教室だと言うが、もちろん一般生徒はそこまで行けない。



