「あんたが兄貴ってこと…、えっちゃん自身は知ってるの?」
「…………」
知らない、ということだろう。
師匠と弟子で通してるし、だろうなとは思ってた。
「じゃあ最初からあんたは秘術を使うつもりで……、せめてえっちゃんや俺たちに特訓つけてたってこと…?」
「俺は最終的な突破口さえ見つけられれば良かった」
都合いいもんね。
師弟って、すごく都合がいい。
「兄が妹のために命を捨てた」と思うよりは、「師匠が弟子のために命を懸けた」にしてしまえば美徳になる。
不器用とかじゃなく、もうこれは彼の性格を通り越した覚悟なんだろう。
この男が思う兄貴としての役目。
それほどまで、太陽という力につよい因縁を持っているのか。
「最終的な突破口…?」
「あいつには、江架には…ちょっとした癖がある」
「…癖……?」
「ああ。────……」
動揺なんかしたくなかった。
この男の前でなんか、そんな顔を見せたくなかった。



