「そんなこと言ったら…さっきのあれはなに。まぐれだって言いたいの」
「そうだ。50回中の1回だろうな。たとえあいつが意識的に発動できたとしても、劇的に魔力が足りなすぎる。
まだそこまで魔法に慣れていないあいつの身体が、まず耐えられねえよ」
「……じゃあどうして…あんな期待させるようなこと言ったんだよ」
気休めか?なぐさめか?
そんなことする人じゃないだろ、馬鹿馬鹿しい。
甘さは捨てろと口癖のように言っている男は、じつは妹にだけは甘いって?
だとしたらとんだシスコンだ。
「…そこでお前に話があったんだ」
いやな予感がした。
見たことがないくらい優しい顔をしているものだから。
えっちゃんは、あの子は、あんたにとってどれほど大切な存在なのかは俺も知らないよ。
あんたが魔法士になった理由は想像してない場所にあるって言ってたわけだから、それくらい“きっかけ”をつくった大きな過去があるんだろう。



