ほら、才能がある人間ってのは俺のような人間が躊躇する場面でも平気で進むことができてしまう。
「そこにえっちゃんが関係してる、と」
「…………」
「でも、血はつながってないんだろ?」
顔、似てないし。
名前もぜんぜん違うし。
えっちゃんが持った特別なものは、この男は持っていない。
それでも兄貴だと、彼は言い放ったのだ。
「俺たちの魔法、つめてえよな」
「…え?」
「暗い山奥でよ。泣いてる赤ん坊をどうにか泣き止ませたかったが……つめてえんだよな、俺の魔法は」
俺は自分の魔法が好きだ。
氷の結晶体をすぐに出すことができるし、視覚的にも女の子に人気だ。
きれい、うつくしい、すてき。
昔からそう言われてきた氷属性。
「でも、ようやく今になって氷使いで良かったと思えた」
太陽にいちばん効果があるのが氷だからな───と、彼は微笑んだ。



