「…なら、後者は?」
「ルスとえっちゃん、かな」
「…………」
「ルス、ああ見えて母親は魔法使いじゃないんだ。だから魔力開花するまでは、かなり苦労してる」
幼なじみってわけではないけど、俺の父親とルスの父親は少しだけ親睦があったみたいだったから。
幼い頃からあいつのことは知っていた。
もちろん魔法を持っていなかった頃のルスの姿だって見てきた。
あいつが自分で「努力の才能がある」と言っていたように、そのとおりだとも思う。
ルスは才能がない天才だ。
才能がなかった天才。
努力だけでのし上がって、自らを天才にした天才。
「平凡ってのがいちばんつまんなくて難しいよ」
どっち付かずだから。
両方を手にすることができなければ、片方になることすらできない。
その“ふり”くらいはできるかもしれないけど、結局ウソってものは見破られるものだ。



