ヒソヒソと話す木陰、ルス先輩の膝の上。
首を傾ける私の髪の毛、一束すくった彼は唇をそっと付ける。
そしてもう1度、ぎゅっと抱え込まれた。
「大丈夫。心配しなくても、ハオは少し警戒心が強いだけだから。あいつだって喧嘩がしたいわけじゃないはず」
「…うん」
ハオさんは何かを知っている。
ハオさんは師匠のことを良くは思っていない。
そんなことがハッキリと分かってしまったのは、それから数日後のことだった。
「俺、やっぱ信用できないよ」
今日は雨。
朝から降りつづいていた雨は、私たちに「今日くらい休んだらどう?」と言ってくれているみたいだった。
正直、朝と夜くらいしか休みがない日々。
それ以外は特訓に特訓を重ね、目的のために魔力を練る毎日。
そんな雨に甘えて、今日はコテージ内でミーティングと称した休憩日にしたのは師匠でもあった。



