「江架」
「ルス先輩…!」
見つけた瞬間、声をかけられた瞬間、私も自然と駆け足に変わる。
特訓するようになってから、そばに居るけれど近くに居ることは減った。
それぞれに力を付けて目標達成するまでは、あれがしたいこれがしたいをお互いに封印しているのだ。
「キノコたくさん採ったよ!」
「…すごいね。レオンハルトさんも喜ぶよ」
「ふふっ、多すぎって言われちゃうかも」
そっと頬に伸びてくる手。
土が付いていたらしく、優しい顔をして拭ってくれた。
修行のあいまの、ひととき。
ここまでいいの…?と、すぐに後ろめたさを感じてしまったのは。
ルス先輩の腕のなかに閉じ込められていたから。
「…ごめん。我慢できなかった」
「がまん…?」
「…ほんとはね、こうなるから僕も自分のことに集中しようと思ってたんだけど。……見つかったらレオンハルトさんに怒られちゃうな」



