初対面ではないけれど、まだ2回しか顔を合わせていない人だというのに。
どうして敬語は必要ないと思っちゃうんだろう。
彼には弱さを見せても大丈夫だと、思っちゃってるんだろう。
「……お粥……、たべる…」
「…これを食うつもりか」
「…うん。ごめん、せっかく作ってくれたのに……、あれ??」
ようやく身体が離されて、床に散らばったお粥を食べようとした私の前。
……時間でも戻されたのか。
ぶちまけられていたはずのお粥が土鍋に元通りになって、何事もなかったかのようにベッドサイドテーブルに置かれている。
「…私…、落としたはず…だよね…?」
「なんのことだ」
「…………」
これもまた、魔法。
気遣いの魔法のようなものだろうか。
小さくお礼を言ってスプーンを手にしたはいいものの、食欲なんか湧かなかった。
「よみ…おばあちゃんは……っ」
「生きてる」
「───…え…?」
つぎは、器にスプーンをぽろっと落としてしまう。



