「───…あった……、おれの正義…、あった……」
この子を守ることだ。
たったひとりのおれの妹を、大切な人たちの娘を、守ることだ。
シド兄ちゃん、やっと分かったよおれ。
自分の命より大切なもの、あった。
おれの魔法の意味は、ここにあるんだ。
おれが手にした魔法の存在意義は───…江架だ。
「…おれ…、おれ…っ、強く、なるから…!!シド兄ちゃんが最後までセーカ姉ちゃんを守ったみたいに……っ、おれだって江架を…!!」
落ちていた、リング状のシルバーピアス。
それはずっとずっとシド兄ちゃんが身につけていたもの。
死体すら残してくれなかった荒れ地が残してくれた、唯一。
おれは拾って、自分の耳に取り付けた。
「うぎゃぁぁぁーーー……っ」
「江架、泣かないの。レオンハルトくんは必ずまた帰ってきてくれるわ。大丈夫、…大丈夫よ」
「うぁぁぁぁぁん…っ」
いかないで、行かないでお兄ちゃん───、
夜巳さんの腕に抱かれ、おれに手を伸ばしてくる江架は、そんなふうに言っているみたいだった。



