「おぎゃぁぁああーーーっ」
氷のシールド、氷のシェルター、氷のベッド、氷のおもちゃ。
出せるだけ出しているというのに、ぜんぜん泣き止んでくれない。
ふかいふかい森のなか、あかくあかく燃える町を遠くから眺めていた。
「……ごめん。おれの魔法はつめたいから…、ごめん江架」
こんなときに必要なんだよ、シド兄ちゃんの魔法は。
あの温かな光がないと江架は泣き止まないよ。
おれもできるなら光属性が欲しかった。
譲ってあげるから。
今日はぜんぶぜんぶ、譲ってあげるから。
「っ、だいじょうぶ…、大丈夫だから泣くな、江架…」
「うぎゃぁぁぁん……っ」
「…正義は…勝つんだ、ぜったい勝つんだ…、魔法は不滅の正義なんだ…っ、そうだろシド兄ちゃん…っ」
……なんで来ないんだよ、シド兄ちゃん。
どこにいるんだ、ふたりとも。
魔力が……いっさい、なくなった。



