これが………太陽─ソール─。
ただがむしゃらに走るおれは、涙が止まらなかった。
「あーっ、うっ!」
なにも知らない、赤子。
自分の父親と母親が今、どんな状況下に身を置いているのかも。
この子の目には、まぶしくて温かな太陽が広がっているのかもしれない。
背後から聞こえる爆発音だって、この子にとっては花火だ。
「江架はここにいるからっ、おれが守るから…っ、ぜったい死ぬなよシド兄ちゃんとセーカ姉ちゃん……っ」
弱くなっていっている。
爆風も爆発も先ほどよりは弱まっているけれど、大好きな人たちの魔力もまた、だんだん小さくなっている。
切れるな、つなげ、生きろ、死なないで。
おねがいだ、死なないで───…。
「あああぁぁぁああ……っ、ああああぁぁああーーー…っ」
子供らしく、泣いた。
どうしようもない絶望を前に、己の無力さを痛感して泣いた。
妹を抱っこして走ればいいだけ。
安全な場所にまで離れればいいだけ。
どうしてそれすら上手くできないんだ、天才魔法少年とやらは。



