愛する娘にシールドを張って、ぷつりと幻影は消える。
そして本体は妻のもとへ微笑みながら向かう途中、おれに振り返った。
「残念ながら秘術を使えるほど、俺はできた魔法士じゃない。これくらいしか…してやれない。───これが俺の正義だ」
心に刻め、レオンハルト───。
いつかに約束してくれた、正義。
シド兄ちゃんそのものが答えだと。
シド兄ちゃんという存在が分からせてくれると。
「…江架を頼むぞ」
「やだ…、嫌だよ…、まってシド兄ちゃん……!!!だって言ってただろっ、魔法は殺すものじゃないって…っ、愛なんだろ……!!」
あれ、見てみろよ。
命を次から次になくしていってる。
魔法は正義で、愛なんじゃないのか。
「…ああ。それを俺に教えてくれたのも、星架の魔法なんだよ」
泣き叫ぶセーカ姉ちゃんに腕を伸ばした彼は、持っているすべての魔法と一緒に抱きしめる。



