江架が1歳、おれが9歳。
忘れもしないその夜は、とつぜん訪れた。
なにがきっかけかは、わからない。
ただ外部から与えられた何かにより、彼女の体内に取り込んでいた強大すぎる魔力が頭角を現し、今までにないほど暴走してしまった。
「ともだちに……、なれたんじゃないの…?」
セーカ姉ちゃん言ってた。
昔から勝手に暴れて困ってる魔力だけど、自分は嫌いじゃないって。
大きくなってシド兄ちゃんと出会ってから、やっと仲良くなれた気がするって。
「し、シド……にいちゃん…」
逃げよう。
ダメだ、あんな魔力に勝てっこない。
江架だけでも救って、シド兄ちゃんも一緒に逃げるんだ。
セーカ姉ちゃんからも伝わってくる。
逃げて、江架を連れて私から離れて───と。
悲しいほど、伝わってくる。



