「ねえシド兄ちゃん。愛ってなに?」
「…愛?」
「うん。いつも言ってるでしょ、魔法は愛と調和をもたらすって」
あれ、まったく意味が分からないんだ。
魔法があることでおれは近所の子供たちから馬鹿にされるし、前も喧嘩みたいになっては調和なんかもたらしてくれない。
この国は魔法がないほうが幸せなんじゃないかって思うときさえある。
だって、セーカ姉ちゃんだって。
彼女を昔から苦しめてきたものもまた魔法だと、いつかにシド兄ちゃんは話してくれたことがあった。
「愛ってのはな、正義だ」
「…じゃあ正義ってなに?」
「正義は魔法だよ」
「……魔法は?」
「魔法はもちろん愛」
……戻った。
なにも解決してない。
ひねりなく嫌味のようにつぶやけば、シド兄ちゃんは誇らしげに語ってきた。
「そうだ。言っちまえばこれは輪っかで繋がってる原理なんだよ。愛は正義であり、正義は魔法であり、魔法は愛」
「………わかんないよ」



