日に日にどんどんお腹が大きくなっていくセーカ姉ちゃん。
お腹にいる赤ちゃんには悪いけど、おれは赤ちゃんができたから嬉しいんじゃなくて。
こうしてシド兄ちゃんも旅に行かず特訓だったりに付き合ってくれるから、そーいう意味で嬉しかった。
「俺の場合は気持ち1本かな。大魔法陣なんか完成させてる暇ねえくらい、とにかく今すぐにでも力が欲しかった」
「じゅうぶん強いじゃん。シド兄ちゃんは光属性だし」
「…もっとだよ。ぜんぜん足りないんだ今も。実際は俺の魔法なんか、塵にすらなんねえんだろうな」
「じっさい?」
それ以上広げることなく、灰色の髪をなびかせたシド兄ちゃんは晴れ渡った空を見上げた。
よく、隠される。
俺が質問をして完全に答えられた試しがなかった。
でもそれは、まだ今のおれはシド兄ちゃんレベルに到達してないからなんだって。
おれだってもっと強くなればいいんだと、そう思って妥協することにした。



