「俺…、初めて江架に会ったときに感じたんだ。すごく強力で、感じたことのない魔力。
だからルスが“江架は魔力開花してない”って言ったとき、ちがうって思った」
「…うん。僕も本当はずっと分かってたよ」
江架も持っているんだろう。
母親から受け継がれたものかは分からないけれど、太陽の力を。
たとえそれが濃く出ようがそうじゃなかろうが、八神家の人間が代々引き継いでゆく力なのだとも思う。
それが開花するかしないか、その違い。
「…レオンハルトさん、」
だから僕は、彼に頭を下げた。
「すみません…でした。僕はただ江架が魔法を使いたいっていう純粋な気持ちだと思って……、魔力開花の手助けをしてしまった」
夜巳さんがかけ続けた抑制魔法をほどいてしまった。
どんな思いで、どんな気持ちで江架を守りつづけていたかも知らずに。
「どっちにしろ時間の問題だった。……それにこいつだって、」
彼は近づく。
頬に涙の跡を残しながら、目を閉じる少女へと。



