こんなことをさせてしまうから、僕たちはローサにいつも「ひ弱な腰抜け」と言われてしまうのだろう。
誰よりも男前、漢(おとこ)のなかの漢。
と言うと、満更でもないのがローサだった。
「───天照大御神(あまてらすおおみかみ)」
僕以外のみんなには聞き慣れない言語だっただろう。
エーテル国ではまったく見ない、使われもしない言葉なのだから。
でも、僕は。
小さな頃から和の国の童話を読むのが好きだったんだ。
おむすびが転がって穴に落っこちる話や、川から大きな桃が流れてきて、そこから男の子が生まれる話。
そのなかでも江架だけは知ってるよね。
僕がいちばん惹かれた、竹から生まれた不思議な女の子の話を。
「今で言う、とある国の神じゃ。神話の最高神とも呼ばれ、天上世界を治めたと言われた太陽を司(つかさど)る女神ぞ」
和の国の神様でしょう、学校長。
その神様が生まれた国は、和の国。
江架の髪の色、瞳の色。
これでぜんぶぜんぶ、明かされる。



