そんなの無理に決まっている。
ここまで大切な存在に悲しみを与えられて、じっとしていろと言うのか。
忘れろ、なんて。
たとえ記憶に魔法をかけられたとしても、僕は自力で解いてみせる。
「……いや、だ」
そしてまた、最初に抗ったのはアレフ。
現時点で史上最強と謳(うた)われる魔法士を前に、アネモスもアレフを守るように風を起こした。
「俺は…、江架の友達だから。友達を守るのが……友達の…役目、だから。…うん、わかってるよアネモス」
どれだけ江架という存在がアレフにとって、アネモスにとって大切な友達か。
そうだよねアレフ。
お前たちは“特待生クラスとして”周りに立てられる前は、いじめられていた。
『俺の友達はアネモスだけ。それ以外はいらない』
初めてアレフを前にした日を、僕はしっかりと覚えている。
信じられるのは、味方はこいつだけだと。
自分の魔法を無理やりにも“友達”とし、共依存のような関係として置いていた。



