ゆっくり、一足一足を動かし、焼け野原に近づいたおじいさんは。
かつてとてつもなく大きな魔力と対立っていたと思わせる威厳をまとっていた。
「おうおう、可愛い孫をこんなにも泣かせおって。…夜巳、お前がしたかったことはこれなのか」
まるで、長いあいだの知り合いかのような口振りだった。
僕が魔法でつくったベッドに眠る江架を見つめた学校長は、あわれな残骸に視線を落とし、姿なき夜巳さんに語りかける。
「学校長…、これはジェネシス部隊の仕業……ですか」
「…そうじゃろうな。この娘の魔力が開花されてしまった今、来るとは分かっておった」
開花、されてしまった。
この老人もそんな言い方をする。
僕たちに向き合った彼の表情はとても、逃げ場をなくしてくるみたいだった。
「もうこの娘とは関わるな。今日のことは忘れよ。…よいな」



