「どうか無事でいて、夜巳さん…!」
私を抱えながら飛行魔法を使って山道を飛び抜けるルス先輩の、ごくりと動いた喉仏。
意識だけは途切れないよう繋ぐことに、私はただただ必死だった。
これは私が自分の目で見なきゃだめ。
これだけは、逃げちゃだめ。
『あなたの魔法は、たくさんの愛で溢れているの。いつかきっと、きっと、あなたを守ってくれるものになるわ』
『あなたはこの先も、人より苦しむ回数のほうが多いでしょう。それでもね、あなたの魔法は……あなただけのもの。
江架の魔法は、破壊以上に大きな愛と調和をもたらしてくれるものよ』
そろそろ私とおばあちゃんが暮らす木造建築が見えてくる。
たくさんの色を咲かせる花たちが迎えてくれるお庭。
おばあちゃんの趣味のひとつ。
いつも嬉しそうに水やりをしているの。
必ず何かを作って待っていてくれたから、家からは甘くていい香りがするんだ。
「………なんだ………これ……」
その先に広がった現実は、想像を絶する真っ黒な世界。
炭と灰の焦げ落ちた香りと、無様なほど朽ちた────……焼け野原。
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