「…ねえ江架、キスしていい?」
「…うん」
「……いいの?」
こくんと、またひとつ。
おでこかな、頬っぺたかな。
あれをされるとドキドキ以上に、どんなことも頑張れそうなパワーが送られる。
「…………」
今日はおでこの気分かもしれないと、私は自分の前髪を上げて待ちぶせた。
……が、ルス先輩は笑顔のまま停止。
「あれ…?しないの…?」
「……ゆっくりだもんね。そうだよね、江架はみんなより少しゆっくりな女の子だからね」
「…?」
ふわっと、おでこに重なる唇。
それだけで気分も晴れ晴れ。
やっぱりルス先輩の魔法はすごい。
「ありがとう!元気でたよっ」
「……これは魔法ってより欲望なんだけどな」
「え?、ひゃ…!」
ふたりだけの特訓場。
なんの特訓をしているのか分からなくなっちゃうほど、この日はあまいあまい音が何度か響いた───。



