「これは江架オリジナルの言葉だろう?…あのとき、たまたま聞いてたんだ」
「え…、あっ!じゃあ、あのときサディアを黒板に打ち付けたのは…」
「うん。僕」
後日になって考えたとき、あれもまた私の力だと思っていた。
けれど、思い出せば眼鏡を外してはなかった。
サディアの暴走した風魔法に少しズレた程度で、外れてはなかったんだ。
「ね?僕のペアは江架しかいないんだよ」
こんなに嬉しいだなんて。
だれかに必要とされること、私の魔力を必要とされること。
あの日もすでに、こんなにも近くに味方がいたんだ。
私の味方となってくれる人は、ここにいたんだ。
「私…、ルス先輩に出会えてよかった」
あなただけは許される。
目尻に浮かんだ涙を、そっと外したレンズの先で拭ってくれること。



