みんなが名前を呼んでくれる。
おなじ食事を囲んで、おなじものを食べて、おなじことで笑いあう。
「あのー…、夜巳さん、このふたつの棒って刺すのはアリですか?」
「それはちょっとお行儀が悪いかしらね」
「……えっちゃんすごい。いつもこうやって食べてるなんて尊敬しかないんだけど俺。
ほら見てよ、アレフなんかアネモスをフォークにしちゃってるから。…逆にルスは使いこなしてるのなんでよ」
「…これが箸か…、童話の世界だけだと思ってた」
あのね、おばあちゃん。
それでも私の魔法はみんなとは違うみたいなの。
光でも風でも、氷でも治癒でもない。
今まで見たことすらなかった。
理事長の恐怖に怯えた顔、ルス先輩の絶望と驚きが混合した表情、いまも頭にこびりついてる。
『いいか覚えとけ。こんなのはまだ本来の10分の1もない』
彼はいったい、なにを知っているんだろう。
あの魔力が10分の1だとするならば、どんなときに本来の力が出るのか。



