「あ!パパ!
雪が止んだみたいよ!」
窓辺に移動したサキが、窓ガラスに張り付いて言った。
さっきまでサンサンと降っていたのに…。
驚いて、サキの後を追う。
サキの言う通り、嘘のように雪が止んでいた。
「わ!空もすごい晴れてる!」
興奮したサキがテラスに出た。
空気が入れ代わり、室内に篭っていた熱が一気に冷める。
「パパもこっちに来て!
星も出てるよ!」
星!?
山の天気は変わりやすいというが、こんなに急に天候が変化するものなのだろうか…。
サキの言葉に従い、自分もテラスに出てみる。
先ほどまで降らせていた雪雲はどこに行ったのか
跡形もなく消えており、
無数の星々が空に輝いている。
「信じられない…」
これが山の天候なのか
それともクリスマスの
奇跡か…
あるいは………
「わ!パパ見た!?
今、流れ星が見えたよ!」
思わず笑みが漏れる。
君は昔から人を驚かせるのが好きだったからな…。
君が仕掛けたサプライズに、僕はいつも驚かされていたっけ。
『フフフ、ビックリした?』
子供みたいに無邪気に笑う君の顔が好きだった。
きっとこれも君が仕掛けたサプライズなんだろう?
君からのクリスマスプレゼント─…。

