「立夏、合宿は荷物多いだろ?俺、母さんに送ってもらうから一緒に車で行こうか」
「でも、悪いよ、私の方が少し遠いのに」
「車だから大丈夫だよ、お母さんに言っておいて」
「わかった」
「OKなら明日の図書館で時間を決めよ」
「うん」
最寄り駅についた2人は自転車で立夏を家に送り、雅人は帰ってきた。
事情を話すと母さんはいいわよと快く返事してくれた。
立夏の方も仕方ないけどお願いしてちょうだいと言われた。
母親はかなり気分的に落ち込んでいるようだった。
朝起きるとご飯の支度が3人前用意されていた。
ああ、夜勤明けで帰ってくるのか、あの人の仕事の予定は私にはわからない……
「今日は仕事行くの?」
「行くわ、お父さん帰ってきたら車で送ってもらう」
「ふーん」
立夏はご飯を食べ終えると出かける支度をした。
玄関を出るとあの人が帰ってきた。
「立夏ちゃん、出かけるの?」
「はい、行ってきます」と目も合わさずに歩いてバス停まで行った。
どうしてもお父さんと呼べない。
お互い無口だし、お母さんがいつも1人で喋ってるだけだ。
一緒に歩いたらおじいちゃんと間違われるだろう。
それくらい落ち着いているし、実際の年齢も離れてるし、白髪もある。
立夏はふぅーとひと呼吸して図書館に向かった。



