雅人は自分の部屋に上がった。
あと2日だし、勉強合宿が終わった後はまたちゃんと話そうかな…
一応バス代を調べてみた。
立夏が家に帰ると珍しく母親がダイニングテーブルに座ってスマホを見ていた。
「どうしたの?仕事は?」
車はなかったはず……
立夏が聞くと右足を上げた。
足首から下は固定され、テーブルの横には松葉杖が立てかけられている。
「えっ…」
母親は父親の勤める市民病院で事務をしている。
出会いはそこなんだけど…
「書類を片付けてたら落としちゃってね、足の上にダンボールがドン、全治1ヶ月よ、はぁ…」
「じゃあ、塾は電車で行くよ」
「そうね」
お昼は買ってきていて2人で食べた。
夜は卵かけご飯をお腹にいれて早めに自転車で駅に向かう。
雅人くんと同じ電車かな〜
自然に口角が上がっているのがわかった。
ホームに入るとスマホ片手に電車を待っている雅人くんがいた。
小走りで隣にピタっと並んだ。
「え、立夏?」
イヤホンを外して気づいてくれた。
「今日電車?」
「うん、今日帰ったらね、母親が足を怪我してて車乗れないの、だから…」
「それは大変だな」
電車で到着した2人は教室に入ると綾ちゃんと目があった。
立夏は軽く手を振ったが後ろから雅人くんに肩を軽く掴まれた。
後ろを向くと帰りも一緒に帰ろと囁かれた。
軽く頷いて綾ちゃんの隣に座る。



