高く上がったボールは勢いよく下に落ちていって 三年生の女子の先輩集団のところに転がっていった。 女子の先輩はもちろんそのボールを拾う。 そして矢沢先輩がボールを取りに行く。 その光景を私は ただただ見つめるばかりで。 すべてがスローモーションに見えた。 心臓は壊れそうなくらい 波打っていた。 私もついこの間あった この光景。 今の私の心臓は そのときより 激しく動いている。 女子の先輩の手から矢沢先輩の手へ ボールが渡る。 ゆっくり ゆっくりと。 先輩は言った。 「サンキュー!」