結局部活に行って澪花達を振り切り、1人無事帰途についた。
と思ったら、後ろからドンと肩を叩かれ、ビクッとしながら振り返った。
「なんだ、聡か」
「なんだとはなんだ。待っててやったんだぞ。」
「いや、あいつらかと思って一瞬身構えた」
「あーあいつらか。だったらこんなことせずに真正面から捕まえに来るだろ」
「確かに。一理ある」
そんなことを話しながら並んで歩き出す。
「しかし、よく今日がクリスマスって覚えてたね」
「流石になめすぎ。日付ぐらい俺だって覚えてるわ」
「wwwごめんごめん」
そう、今日はクリスマス。年に一回の聡と一緒に帰る日だ。
そんなことになった経緯は、端的に言うと「聡がモテすぎる」からだ。
結構なペースで告られる聡は、1人だと安心して帰ることもできないぐらい人気者だ。
そんな聡が、クリスマスぐらいゆっくりしたいとこぼしたから、クリスマスだけは自分が聡の警備を兼ねて一緒に帰っている。
中1の冬から始めたからもう3回目か。
