「今日も上野山さんと一緒に花壇でお花植えんの? 仲良くできてうらやましー」
「園芸委員の仕事だよ。本気で思ってるなら、お前ら誰か変われ」
「いやいや、そこは竹森に譲るって」
「ウザ……」
「上野山さんも、おれらより竹森と一緒のほうがいいよな〜?」
ニヤニヤしながら聞かれて、わたしはうつむいた。
竹森くんや他の男子達が、わたしのことをバカにしてわざとそんな話をしているのがわかっているからだ。
わたしは昔から人見知りで、人と話すのが苦手。
あまり親しくない人と話すときや大勢の人の前で話すときは、とくに緊張して、言葉がどもったり、不自然なくらいに目線が泳いでおどおどしてしまう。
中一の頃は、わたしの事情を知ってる小学校からの友達が同じクラスだったからよかった。
だけど中二になって、その友達とはクラスが離れてしまって……。
新学期の自己紹介で、うまく話せなくておどおどしていたら、クラスの男子数人にからかわれた。
「なにあれ、キモ……」
そんな声が教室のどこかから聞こえてきて……。
わたしが教室で話すと、クラスメート達にクスクス笑われるようになった。



