そんなわたしに、

「おれが上野山ちゃんといたくているのに、なんでフツリアイなの?」

 千葉先輩が尋ね返してきた。

「だ、だって……、わたし、見た目もぜんぜん、イマイチで……。よく名前負けだ、って……。わたしなんかが、千葉先輩と話すのは、よくない……。身の程知らず、って……」

「誰が、上野山ちゃんにそんなひどいこと言うの?」

「ひ、どい……?」

「うん、ひどい」

 視線をあげたら、千葉先輩がわたしをまっすぐに見つめてうなずいた。そのまなざしの光の強さに、たじろぐ。

「で、も……。わ、たし……、しゃべるのも、ちょっと苦手で……。おどおどしちゃう、し……」

「それでも、上野山ちゃんはいつも、おれの言ったことに対する返事を一生懸命考えて、ちゃんと応えようとしてくれるじゃん」

「そ、れは……。千葉先輩が、ちゃんと聞いてくれるから……」

「うん。でも、それ、ふつーのことだよ」

「ふつー?」

 眉を下げて首をかしげたわたしに、千葉先輩が「そうだよ」って、ふっと笑う。