「で、でもっ……! きょう、は……、あ、あたらしいお花を植えるために、枯れたお花を取り除いたりとかしなきゃ、で……。人手がなるべく、必要、で……。だ、だから、今日は全員参加でって、委員長が……」
言葉を選びながら、がんばって竹森くんに説明したら、今度は小さく舌打ちされた。
うちの中学の園芸委員会は地味に活動が多くて……。
毎週水曜日の花壇の整備のほかに、クラスごとに週一で水やり当番もある。
他の委員に比べて活動が多くてめんどうくさいから、園芸委員は毎年みんなに敬遠される。
わたしと竹森くんも、立候補者が誰もいなくて、最終的にくじ引きで決まった園芸委員だ。
わたしと園芸委員をやることが決まったとき、竹森くんはものすごく顔をしかめていた。
竹森くんはかっこよくて、運動ができて。男友達が多いし、女の子からもモテる。
だから、わたしみたいな、地味でちょっと変な女子と園芸委員をやるのがイヤなんだろう。
でも……。今日は竹森くんもいっしょに行かないと、また注意されるかもしれない。
どうしよう。
困っていると、校内放送がかかった。



