人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜

「イヴァン様、もう中庭で待ってるよ。早く行こう!」

リオンに促され、ヴァイオレットたちは書庫から出る。中庭に近付くたびに紅茶とケーキの甘い香りが強くなった。

「イヴァン様、お待たせしてしまい申し訳ありません」

すでに椅子に腰掛けて待っていたイヴァンに、ヴァイオレットは声をかける。イヴァンは「全然構わないよ。さあ、お茶の時間を始めよう」と杖を一振りする。するとティーポットが宙に浮き、人数分の用意されたティーカップに紅茶が注がれた。

「ありがとうございます、イヴァン様!」

ヴァイオレットたちはお礼を言い、それぞれ椅子に腰掛ける。ヴァイオレットは真っ先にティーカップを手に取った。そして紅茶に口をつける。優しい酸味と柔らかい口当たりにヴァイオレットの頰が緩む。

「おいしい」

ヴァイオレットがそう呟くと、紅茶に砂糖を入れていたイヴァンが口を開いた。

「この紅茶、フェリシアーノから贈られてきたんだ」

「フェリシアーノ様が?」

「騒動を起こしたお詫びだって言っていたよ。あと夜会も中途半端でお開きになったから、また開催されるらしい」